日本建築巡りの旅…
今回は「建築」の面白さを話します。
私は童心に帰り、まっさらな気持ちで日本中の建築物を見て回っています。
横やりを入れたり否定的な意見は一切抜きで、ホントに一般人の目線で見ます。
なんせ、同業なので変な所が気になるもので…
だからこそ、「童心」が大事です。
学生時代、キラキラした目で良く建築物を見ていたものです。
さて、今回の「建築」はタイトルにもある伊藤豊雄氏の建築を一つ紹介します。
伊藤氏は建築会のノーベル賞と言われるプリツカー賞を受賞し、他にも数多くの建築賞を取っている御年83歳になる一流の建築家です。
普通なら隠居してる年齢ですよ。
まだまだ第一線でご活躍される姿。ホントに尊敬します。
私はもう十数年前にもさかのぼる学生だった時代、伊藤氏の建築物が大好きでした。
伊東市の設計の一つである「せんだいメディアテーク」は、建築大学生の最後の華である、卒業設計課題の日本一決定戦が行われれる会場なので、建築学生にはとても馴染みがあります。
そんな伊藤氏の建築、いくつか見て回ったうちの一つを話しましょう。
これは岐阜県にある「瞑想の森 市営斎場」
これ、斎場なんです。
伊藤氏の建築は、流線形で構造が複雑な建築物が多く、曲線を取り入れた大胆な建築。
自然との造形の調和を図ろうとするデザイン。
しかし未来的であり洗礼されていて透明である。
最初、この斎場を見た時私は衝撃的でした。
市営斎場って、ごく普通の形の建築物が多かったので尚更驚きました。
私の大学時代の卒業設計のデザインイメージに使わせてもらったくらい面白味がありました。
池との調和、そして反射する池の明かりが建物内に入り込み、幻想的な空気を生み出す。
真っ白な流線形の屋根と相まって、とても異世界を感じさせるような建物内。
故人と最後のお別れをするには最高の場だなと素直に感じました。
建築された場所は、森が多くとても静かな場であり、私が訪問した時も鳥のさえずりとカエルの声、木々のざわめきしか聞こえない。とても洗礼された場でした。
その場の雰囲気を建物の主張で一気に変えてしまう。
場と調和を目指し一体化した設計をすれば、周辺環境さえあたかも建築に合わせるために存在したように変化させてしまう。
建築ってこういう所が面白く奥が深い。
思考一つでその地のシンボルとなる。
季節によってまた表情を変える所も見てみたいですね。
こんな建築物考えて、各地に残してみたいものです。
私は住宅建築を手掛ける事が殆どなので、こうした大きな建築は刺激物です。
その場に行き、ただ身を置くだけで設計・施工者の方々のものづくりの意思が感じられると思います。
普段何気なく見ている建築物、よく見たらめちゃ凄い、とかあるのではないでしょうか。
身近な建物が実は有名な建築物だった、なんてよくあります。
皆さんも、ふと建築に少し目を向けてみると何か発見があるかもしれません。
ここは、建物内は丁度葬儀使用中で、さすがに私でも写真は撮れませんでした。。
日本中見て回った建築、また紹介できれば。
ぼそぼそ